Excel で日々のデータ処理業務をしていて、次のような課題を感じたことはないでしょうか?
- データから 様々な集計 が必要で作業が大変
- ファイルが重く なって動作が遅い
- 関数が複雑化 して管理ができない
- 複数テーブル の組み合わせ管理が面倒
- 従来のピボットテーブルでは 機能不足
こうした悩みを一気に解決してくれるのが Power Pivot です。
Power Pivot は従来のピボットテーブルを大幅に強化したデータ分析ツールで、現代のデータ処理業務には必須のツールと言えるでしょう。
【図で分かる!】Power Pivot 入門 シリーズ では、Power Pivot の活用方法を初心者にも分かりやすく解説します。
日々のデータ処理業務に課題を感じている方は是非参考にしてみて下さい。
Power Pivot とは?
Excel だけでできる “データ分析の中核”
Power Pivot は Excel で利用できる高機能なデータ分析ツールです。
Power Pivot はその名の通り、従来のピボットテーブルを大幅に機能強化しており、次のような特徴があります。
- マウスで簡単操作(ピボットテーブル)
- 高速集計(VertiPaqデータベース)
- 高度な集計(DAX関数)
- Power Query との連携(データモデル)
- 複数データの関連づけ(データモデル)

会社などの組織にいるのであれば、Excel が使えないことはほとんど無いでしょう。
Power Pivot の知識を得るだけで、非常に強力なデータ分析ツールが 追加コスト無く 使えるわけですから、これは習得しておかない手はありません。
特筆すべきはその計算スピード 列志向データベース VertiPaq
ショッピングサイトのように1件ごとの処理が重要なデータベースは1行の処理が速く確実である必要があります。このようなケースには 行志向データベース というものが活用されます。
一方、データ分析は膨大な行のデータでも様々な切り口で瞬時に集計することが求められます。ピボットテーブルを変形させるたびに処理が停滞してしまっては、分析作業にならないからです。
このようなニーズには 列志向データベース というものが活用されます。
Power Pivot は VertiPaq というデータベース上で動作しており、これが 列志向データベース なのです。しかも VertiPaq は メモリ上で動作するので、非常に高速な集計が可能です。

Power Query との関係
Power Query は「データを集めて、整える」役割を担うのに対して、Power Pivot は Power Query が整えたデータを受け取って、「データをモデリングし、分析する」役割を担っています。

この2つを連携させることで、一連のデータ処理を強力にこなすことができます。
DAX 関数とは?
DAX(Data Analysis Expressions)は、Power Pivot 専用の数式言語です。
Excel 関数に似た形をしていますが、扱う対象がデータに特化しており、より柔軟で複雑なデータ集計ができるのが特徴です。
また、大きなデータを扱う前提で開発された機能であるため、大量のデータでも Excel 関数の数倍のスピードで集計できるのがメリットと言えます。
Power BI との関係
Power BI という名前を聞いたことがある方もおられるかもしれません。
Power BI は データ分析のダッシュボードを作成し共有 するためのツールです。
Excel に Power Query と Power Pivot が備わっているように、Power BI にも同じ機能が備わっています。ただし、Power BI には表計算の機能はありません。
個々にデータ処理をするのであれば、Excel を用いるのが最適解です。
上述のようにデータ分析を広く共有するには Power BI が最適解です。しかし、この ダッシュボードを共有する機能は有償プラン でのみ活用可能です。
このため、有償プランを契約していない場合は Power BI は Excel から表計算機能を落としたツール のような位置づけになってしまいます。
仕事で Excel を使える環境であるなら まずは Excel で Power Query と Power Pivot を活用する ことから始めると良いでしょう。
また、Power Query と Power Pivot の知識はそのまま Power BI でも使えますので、得た知識を更に活かすことができます。

Power Pivot の学習記事
ピボットテーブル基本操作
Power Pivot は従来のピボットテーブルの機能拡張版です。ですので、Power Pivot を使いこなすには、まずはピボットテーブルの操作を習得する必要があります。
ピボットテーブルは最初はどう使えば良いか戸惑うかもしれませんが、少しずつ触っているうちにその便利さを実感できると思います。まずは良く分からなくても使い始めることをオススメします。
DAX関数
ピボットテーブルだけでもそれなりに色々な集計が可能ですが、それでも限界がありました。例えばピボットテーブルでは利益率のように集計した利益を売上で割るというような比較的単純な計算ができませんでした。
このような問題を解決するために導入されたのが DAX関数 です。
ピボットテーブルにプログラミングが可能な DAX関数 が導入されたことで、複雑な集計も可能になりました。
もちろん利益率の計算も簡単にできますし、前年の集計値との差異なども DAX関数 の機能を使えば簡単に計算できます。
活用ノウハウ
ピボットテーブルでは通常では年度内の月を正しく並べられないという問題があります。この解決方法をご紹介しています。
まとめ
この記事では Power Pivot の概要について解説しました。
Power Pivot は VertiPaq による 高速集計 や、DAX関数による高度な集計 など、現代のデータ処理に必須な高度な機能を持っています。
しかも、日常的に使っている Excel でこれが使えるのですから使わない手はありません。
最初はとっつきにくいかもしれませんが、慣れてくるともう Power Pivot 無しでは仕事ができないと感じると思います。
みなさんも是非、シリーズ記事で知識を習得して日々の業務に役立ててみて下さい。




